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死骸とは?

[ 337] 湘南新聞−ウミガメ 増える漂着死骸−
[引用サイト]
http://www.scn-net.ne.jp/~shonan-n/news/041218/041218.html

死骸を調べるNPOメンバー。死骸を発見したら通報を、と呼びかけている
湘南海岸にウミガメの死骸が漂着するケースが増えている。今年はすでに36頭が広範囲にわたって漂着。ウミガメ研究者は原因究明を進めているが、直接の死因は分からないという。人工ゴミを食べて衰弱死するという因果関係も否定している。
湘南海岸に打ち上げられたウミガメを解剖した結果、ほとんどの体内から大量の人工ゴミが発見された。「直接の死因ではない」と研究者は主張するが、人工ゴミとの因果関係はないとも言えず、究明が急がれている。環境省でも因果関係を把握しておらず、研究調査もしていないという。
ただ、アホウドリのヒナが大量に人工ゴミを飲み込み、死んだケースもいくつか報告されているほか、体内に長く留まった塩化剤、可塑剤などが溶け、体内に吸収されてしまうという環境ホルモンの影響も十分に考えられる。しかし、現段階では立証することが難しいため研究者は推測の域でしか述べていない。解明には相当期間の研究が必要だとしている。ウミガメの研究調査はあまり進んでおらず、生態などについてはほとんど解明されていないのが実態のようだ。
ウミガメの調査を続けるNPОのエバーラスティング・ネイチャー(横浜市)の事務局長、田中真一氏も「ウミガメの消化管は柔軟性があり、アオウミガメは草食だが、アカウミガメは貝などを食べている。貝殻は胃の中では消化できないが、総排出腔から排出されるので影響はない。人工ゴミだと化学的なことになるので推測の域でしか語れない」と述べ、因果関係の難しさを痛感している様子だ。
今年、湘南地区と三浦市の沿岸に上がったウミガメは、アカウミガメ26、アオウミガメ8、オサガメとタイマイがそれぞれ1頭ずつ、アカウミガメが圧倒的に多い。なぜ、アカウミガメが多いかは解明されておらず、ナゾに包まれている。関東の沖合に生活圏があるという説もあるが、これも立証されていない。
アオウミガメは海藻や海草が主食だが、海藻に付着するゴミまで食べてしまう。アカウミガメは魚、ヤドカリなどの底生動物を好み、雑食性であらゆるもを食べるという。オサガメはクラゲや動物性プランクトンなどを主食とする肉食性といわれている。
湘南を含む関東圏の沿岸では、大人になる前の未成熟なカメの固体が多く打ち上げられている。湘南沿岸で上がったカメもほとんど子ガメで、成熟した大人のカメは少ない。関東だけの特徴であり、関西圏では少ないという。こういう事例は全世界を見ても類がなく、日本特有のものだという。
湘南地区での産卵はアカウミガメで、年に1回ほど産卵が目撃されるが、最近ではほとんど見かけなくなっている。砂浜の減少によって産卵がしにくくなっているという説も。
資料によると、関東地方では継続して産卵がある地域は限られており、伊豆や房総半島の一部に少数が確認されているだけ。茨城、福島県では稀に産卵があるが継続的ではなく、産卵の北限は九十九里浜の南部あたり。過去に神奈川県でも継続的な産卵上陸があったといわれている。
アオウミガメは小笠原諸島での産卵が多く、ふ化したカメがエサを求めて相模湾に来遊するという。水温が冷たくなると、また南方の海域へエサを求めていく。水温が下がれば、カメの体温も低下し、死んでしまう。このため6〜7月にアオウミガメの来遊が多いといわれている。
アカウミガメは外洋性で、九州や沖縄の日本海域でふ化したものが黒潮に乗って太平洋を横断、カリフォルニアやメキシコ付近の海域で成長する。成熟する前に産卵のために日本海域に戻ってくる。「母岸回帰」と言い、自分の生まれた浜辺を覚えており、そこで卵を産み落とすといわれている。どうして生まれた浜辺が分かるのかは解明されていない。
大磯・平塚・茅ケ崎、藤沢海岸で漂着死骸が多く、平塚・大磯海岸では毎年5〜6頭は漂着する。ほとんど腐乱した状態で打ち上がっており、鼻を突くような悪臭だ。鎌倉七里ケ浜に上がったウミガメの体内からは多数の卵も発見されている。
ウミガメの体内からは発砲スチロール、カップ麺の容器、プラスチック、ヒモ、トレー、風船、ビールの空き缶、さらにスポンジやレジ袋、釣り糸など多種多様の人工ゴミが発見されている。ほとんどのゴミは総排出腔(お尻)から排出されるという。
研究者によると、ウミガメは目の前にあるものにパクっと食いつく習性があると言い、エサと間違って食べているとは限らないという。
前出の田中氏によると、ゴミをエサと間違えて食べているだけでなく、エサに混ざっているゴミを食べている。貝が付着した木材が浮いていれば、それをかじることもある。「死因はまだ解明できていないが、人工ゴミは人間が出したもの。現代社会でゴミがなくなるということは考えられない」とウミガメに被害が及ぶことを強く懸念する。
人工ゴミだけでなく、プレジャーボートにぶつけられ甲羅が割れたり、スクリューに巻き込まれる事例や、魚網に引っかかったり、定置網の中に入って呼吸ができなくなり、溺死する例もあるという。
カメは肺で呼吸するため、海面に上がった際に、ボートにぶつかるなどの事故に遭いやすく、甲羅が半分にパックリと割れる致命傷を負ったカメも発見されている。
かながわ海岸美化財団によると、湘南海岸一帯のゴミの処理量は年間で4000〜7000トン。海藻や木屑など自然系のゴミ8割に対し、人工系のゴミは2割。構成比は海藻63%、可燃ゴミ25%、不燃ゴミは12%。
昨年度、同美化財団が平塚海岸で処理した人工系ゴミは可燃ゴミ約8・8トン、不燃ゴミ約2・6トン、合計11・4トン。茅ケ崎海岸では可燃約13・2トン、不燃約4・6トン、合計約17・8トン。海藻は平塚、茅ケ崎とも0トン。3市のなかで藤沢が最もゴミが多く、可燃・不燃・海藻を合わせて約82トンの処理量だ。大磯は約10・9トンと、平塚とほぼ変わらない。
この10年間、湘南海岸におけるゴミは減少傾向にあるが、「世界ゴミ調査」(日本事務局・クリーンアップ全国事務局)のキャンペーンの一環として、「漂着物を拾う会」(平塚市博物館主催)が今年9月、花水川河口で拾った人工ゴミは多種多様化しており、とくに発砲スチロール破片が最も多かったという。「拾いきれずに残ったものが大分あった。海に浮かんで流れて行き、海の動物にも影響を与える」と報告書には記されている。
発砲スチロール破片の1センチ立方メートル以上のもの501個、プラスチックシートや袋の破片113個、硬質プラスチック35個が上位を占めた。
人工ゴミとの因果関係について、ウェブサイト「海の自然史」を主宰し、ウミガメの生態を研究している石井雅之氏(藤沢市在住)にインタビューした。
「分からない。顕微鏡で見て、病理的なものが発見できればいいが、それができない今、死因が何であるか、突き止められない。ほとんどのカメは腐敗が進行した状態で浜に打ち上げられているので、立証が難しい」
「アオウミガメは植物食で、紅藻をよく食べる。アカウミガメは貝やヤドカリなど海の底にいるものをよく食べる。食べた人工ゴミは体内でほとんど破片になっているので、元の形が何だったのかはよく分からない。ウミガメはびっくりするようなものまで食べてしまう。金属類やヒモ状のもの、針などとがったもの以外はほとんどお尻から排出される」
「いや、今後はそういうことも考えられるようになるかもしれない。しかし、湘南の浜に打ち上がったウミガメの死体を見る限り、人工ゴミが直接の死因でないことは断言できる」
「それは分からない。ウミガメの目は人間のように見分けているとは思えないし、それが何であるか分かって食べているのか、我々にも全く見当がつかない。もしかしたら人工ゴミにカメの大好きな匂いがついているのかもしれない。多くの人たちはクラゲと間違えて食べていると言っているが、そうではない」
「アカウミガメでもアオウミガメでもわりと浮遊物は好きなので食べている。海藻に人工ゴミが絡まっていたら食べるだろうし、人工ゴミだけを取り除いて食べるということはあり得ないことだ。ウミガメの食道の構造は一方通行で、人間のように食べたものを吐くことはない。死体を解剖してみると、魚の骨や貝殻はそのままお尻の直前にまで来ている。アオウミガメが食べた海藻やクラゲは早い段階で消化されている。胃に辿り着くときにはすでにドロドロの状態になっている」
「アオウミガメは甲長40〜50センチ、アカウミガメは60〜70センチ。いつでも卵を産めるような大人のカメは少ない。自然界の海の中は生存競争が激しいし、自分でエサが取れず飢えて死ぬ場合もあるだろう。ウイルスなど病理的な感染で死ぬケースだってあるかもしれない」
――魚網に引っかかったり、定置網の中に入って呼吸ができず溺死するというケースもあるのですか。
「そういったケースもある。しかし、生きながらに定置網の中に入ったのか、死んだままの状態で流れて入ったのかは分からない。スクリューに巻き込まれて死ぬケースもあるが、これも生きたまま巻き込まれたのか、死んだままの状態だったのかは、判断が難しい」
「関東の沖合はアカウミガメにとって、かなり大事な海域といわれており、人工衛星を用いた追跡調査では、関東の沖合をぐるぐる回っている、と報告されている。そこに生活の場があり、拠点にしているとも考えられるが、立証するのは難しい。しかし、長居していることは事実だ。銚子沖に黒潮の暖流と親潮の寒流がぶつかる境目があるが、そこから北へは行かないということもはっきりと分かっている」

 

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