| このページは 04月のキャッシュ情報です。 |
タンパク質とは?
[ 121] タンパク質は生命を支える物質である
[引用サイト]
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/biochem4.htm
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タンパク質は生体内のあらゆる場所に存在し、生命活動を支える最も重要な物質である。化学的に見れば,タンパク質は20種のL-a-アミノ酸が多数つながった高分子化合物に過ぎない。しかしながら,タンパク質は単なるアミノ酸の結合物ではなく、固有の立体構造と機能をもつ分子である。また,下に示すようにその形もさまざまである。 アミノ酸は水に溶けやすい有機化合物である。分子内に解離性原子団として,アミノ基 (塩基性)とカルボキシル基(酸性)を併せもつ。タンパク質を構成するアミノ酸はアミノ基とカルボキシル基が同じ炭素原子に結合したa-アミノ酸である。グリシン以外のアミノ酸では,この炭素原子は4つの異なる原子団が結合することになる。このような炭素原子を不斉炭素原子という。不斉炭素原子があるとL型とD型の2つの光学異性体が生じる。タンパク質中に通常見られるのは,L型のa-アミノ酸であるが,タンパク質の老化に伴ないD型アミノ酸に変化することもある。 アミノ酸は塩基性と酸性の原子団をあわせ持つので両性電解質である。そのため,溶液のpHによって2つの原子団の電離の程度が変化する。正味の電荷がちょうど0になるような溶液のpHを,等電点(isoelectric point, pI)という。 タンパク質を構成するアミノ酸は20種である。これらのうちの半数は体内で合成することができるが,次の9種のアミノ酸は合成できないので,食べ物からとる必要がある。これを必須アミノ酸(essential amino acids)という。 解離性の原子団を持つアミノ酸には次のようなものがある。側鎖およびa-アミノ基およびa-カルボキシル基のpKa値を次の表に示す。 Met, Cys, Pro: Metは疎水性で、-S-CH3が酸化されて-S(=O)-CH3(スルホキシド)を生成。CysのSH基は還元作用をもち、酸化さ れるとSS結合をつくる。また、-SHは弱酸。Proは環状脂肪族イミノ酸で、疎水性。ニンヒドリンで黄色に呈色。 Phe, Trp, Tyr: Phe残基は疎水性でタンパク質内部に多い。TrpとTyr残基はやや極性があり、タンパク質表面にもくる。Trpは酸化され易く、酸化されると芳香環が切れてN-formylキヌレニンになる。Tyrは極性アミノ酸で、フェノールなので反応性がある(ニトロ化)。 His, Lys, Arg: Hisは複素環式芳香族側鎖(imidazole)を持つ。Imidazoleは生理的pHで酸・塩基の両方の働きをするため、酵素の触媒作用に関与することが多い。LysとArgはLysは生理的pHで正に荷電。側鎖にアミノ基をもつ。Argのグアニド基は強塩基性。 天然には,タンパク質やペプチド中または遊離のアミノ酸として,下に示すような特殊なアミノ酸が300種以上も存在する。 ヒドロキシプロリンはコラーゲン中に存在する。g-カルボキシグルタミン酸(Gla)残基は,血液凝固に関与する一部のタンパク質に存在し,カルシウムイオンと結合する性質をもつ。オルニチンは尿素回路に必須のアミノ酸である。 2〜50個くらいのアミノ酸が脱水縮合によりつながった化合物を,ペプチド(peptide)という。 ペプチド結合を構成する原子群は,同一平面上に存在する。これは,C-N間の結合が二重結合性を帯びているためである。タンパク質の立体構造がひとりでに決まるのは,この性質に負うところが大きい。 小型のペプチドの場合は3文字表記が見やすいが,タンパク質のようにアミノ酸残基数が多くなると,1文字表記の方が便利。タンパク質配列のデータベースは,1文字表記で登録されている。 天然のペプチドは,タンパク質と同様に,固有の機能をもつものが多い。ホルモン,毒ペプチド,抗生物質,神経伝達物質,酵素阻害剤,細胞内還元剤など,その作用は多岐にわたる。 タンパク質(protein)は,アミノ酸が多数ペプチド結合で鎖状につながった高分子化合物である。タンパク質の骨格であるポリペプチド鎖には方向がある(N末端とC末端)。アミノ酸の種類に関係しない -NH-CH-CO- のつながりを,主鎖(main chain)という。アミノ酸に固有の原子団部分を,側鎖(side chain)という。また,1つのアミノ酸のユニットを残基(residue)という。 タンパク質は固有の立体構造をもち、立体構造はタンパク質の機能と密接に関連している。タンパク質の形は,4つの階層構造(1次〜4次構造)に分けて理解することが出来る。 どのタンパク質も固有のアミノ酸配列をもつ。そのようなタンパク質のアミノ酸の配列順序のことを1次構造という。タンパク質の1次構造は遺伝情報(DNAのヌクレオチド配列)によって規定される。 タンパク質を構成するアミノ酸には側鎖に解離性の原子団をもつものがあるので,アミノ酸の場合と同様に,溶液のpHによって荷電状態が変化する。したがって,タンパク質にも固有の等電点が見られる。 主鎖間の水素結合により,タンパク質は部分的に折りたたまれた立体構造をとる。a-helix,b-sheet,b-turnなどが代表的なものである。このようなペプチド主鎖の規則正しい折れ曲がり構造を2次構造という。 タンパク質の主鎖が折りたたまれるとき,「油(疎水性原子団)は中、水(親水性原子団)は外」の原理に従う。つまり,疎水性原子団はなるべく水との接触を避けようと,タンパク質の内部に配置される。ペプチド結合は,上の図のように,強い極性を持っている。そのため,疎水性アミノ酸残基がタンパク質内部に配向する場合,極性を持つペプチド結合をうまく処理する必要がある。これを、主鎖間の水素結合により解消するために,タンパク質は2次構造をとる。 a-helixは太い柱状の2次構造で,全体が大きな双極子となっている。従って,一般に,a-helixの両端は分子の表面に存在する。細胞膜を貫通するようなほとんどの膜タンパク質では,膜を貫通する部分はa-helixとなっている。この場合,helixを構成するアミノ酸残基は,そのほとんどが疎水性アミノ酸である。つまり,helix全体が「油」で覆われていると考えればよい。一方,タンパク質の表面にへばりついているようなhelixでは,helixの片側に疎水性アミノ酸,もう一方に親水性アミノ酸の側鎖が位置する。 b-sheetは板状の2次構造をつくる。b-sheetには,ペプチド鎖が同じ向きに並んだ「並行型」と,ペプチド鎖が逆向きで並んだ「逆並行型」がある。b-sheetの2本の鎖は少し捻れているため,多数のb-sheetが集合すると,ねじれた樽状になる。 タンパク質全体の三次元的な立体構造を3次構造という。3次構造には,主鎖や側鎖間の種々の相互作用が関与する。 タンパク質分子が複数集合して複合体を形成している場合がある。それぞれのタンパク質成分をサブユニット(subunit)と呼ぶ。例えば、血液中で酸素分子を運搬するヘモグロビンは4つのサブユニットからなり、その構成はa2b2の四量体である。 大型のタンパク質は,いくつかの立体構造の組み合わせでできている。この立体構造の単位をドメインと呼ぶ。現在までに数100種のドメインが知られている。一般に,ドメインは約70-100残基から成る。複数のドメインから出来ているタンパク質では,1つのドメインが固有の機能を発揮する場合が多い。 現在では,立体構造が分かっているタンパク質のデータを基に,特定のタンパク質のドメイン構造が1次構造から推定できる。特に、S-S結合の位置関係が,ドメインの識別に重要である。 生体内でタンパク質は種々の物質と結合し、複合タンパク質として存在する場合が多い。タンパク質は生体内でたくさんの機能を発揮している。タンパク質の機能はその高次構造(2〜4次構造)と密接に関連している。 ある種のタンパク質は,機能の発現のために,アミノ酸以外の分子を必要とする。これらを複合タンパク質という。 タンパク質は、加熱、極端なpH、強い攪拌、高濃度の塩や尿素、還元剤、強い光などで高次構造を支える結合が切れ、溶解度が低下したり固有の機能(活性)の低下・消失(失活 |
[ 122] タンパク質
[引用サイト]
http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/daizu/kenko/tanpaku.html
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また、大豆タンパク質の消化吸収率は、吸収率が非常に高いと言われる動物性タンパク質に匹敵するとともに、タンパク質を構成するアミノ酸のバランスがよく、高い栄養価を持っています。 血液中のコレステロール値が高い状態が長く続くと、血管の内側に余分なコレステロールが付着し、血管を硬くし、血管の中を狭くしていきます。これを動脈硬化症といいますが、この動脈硬化症は脳梗塞や狭心症、心筋梗塞へ進行する可能性があります。 体内のコレステロールは胆汁酸を経て腸と肝臓を循環していますが、消費される胆汁酸の量が増えるとコレステロールから胆汁酸が作られ、失われた分が補てんされるため、結果的に体内(血中)のコレステロールが低下することになります。大豆タンパク質については、タンパク質分解酵素で処理された後の非消化画分が、胆汁酸と強力に結合し体外に排泄されることが報告されており、血中コレステロールを低下させるのは新たな胆汁酸の生成を促進するためと考えられています。 なお、米国食品医薬品局(FDA)では、大豆タンパク質のもつコレステロール低下作用に着目し、大豆タンパク質を1日あたり25g(大豆75g≒豆腐一丁)含む食品について「心臓病のリスクを低減する食品」という趣旨の表示をすることを認めました。 静かなる殺人者(Silent Killer)といわれる高血圧症は、日本では成人の半数近くがかかっているといわれています。 大豆タンパク質が分解されてできるペプチドは、血圧の調節に関与する酵素であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を強く阻害することが報告されています。ACE阻害剤は血圧下降剤として用いられているため、大豆タンパク質にも血圧上昇の抑制効果があると考えられます。 不飽和脂肪酸の酸化によって生じる過酸化物やフリーラジカルは、食品の風味や栄養価などを損ない、品質の劣化を引き起こすだけでなく、体内においては生活習慣病や老化などを引き起こす引き金になるといわれています。 なお、タンパク質分解物の抗酸化性は、多様な作用機構を持つ各種のペプチドの共同作業によって生み出されたものです。 タンパク質を摂取すると、交感神経が刺激され活性化して、褐色細胞組織(ここで熱産生が起こり、体重がやたらに増えないように調節が行われている)での熱産生が高まりますが、大豆タンパク質を摂取すると、この余分なエネルギーを消費する作用がほかのタンパク質に比べ大きいことが報告されています。 |
[ 123] タンパク質研究の大計画
[引用サイト]
http://www.kek.jp/newskek/2002/sepoct/protein.html
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KEKで行われているタンパク質の研究については、細胞内の運び屋タンパク質の構造や機能についての研究を何度か紹介しました。タンパク質を作り出す人の遺伝子に記録されている遺伝情報は、国際協力の下にヒトゲノム計画でほぼ解明されてきました。次の重要な課題は遺伝情報から作られるタンパク質の構造・機能を知ることです。これによって生命現象の解明がさらに進み、病気の治療に有効な手立てを見つけることができるからです。ヒトゲノム計画に次いで、アメリカやヨーロッパでもタンパク質研究の国家的プロジェクトとして取り組み始めていますが、この夏、日本でも「タンパク3000プロジェクト」が国の計画として動き出しました。今日はこの計画に参加するKEKの計画について紹介しましょう。 このプロジェクトではタンパク質の構造と機能を今後5年間に3000種以上解析しようとするものです。タンパク質の基本構造と機能を知るには約1万種のタンパク質の解析が必要だと考えられていますが、この計画ではその約3分の1以上を解析し、特許による権利化をはかり、遺伝情報を生かした薬(ゲノム創薬)を生み出すことを目指しています。 プロジェクトの中核となる実施機関は図1に示したように、理化学研究所と高エネルギー加速器研究機構(KEK, PF)、北海道大学、東京大学、横浜市立大学、京都大学、大阪大学です。 解析の進め方は、理化学研究所が中心となって2500種以上のタンパク質の基本構造を大量かつ迅速な手法で網羅的に構造・機能の解析を進めるプログラムと、タンパク質の多様な構造・機能に重点的に着目し、その他の機関が中心となり7つのテーマで個別に構造・機能解析を進め、全体で500種のタンパク質を扱おうとする個別のプログラムに分かれています。ここでは、その一つのプログラムとしてKEKの物質構造科学研究所の若槻壮市教授グループが中心となって進めるタンパク質の構造・機能解析についてお話しましょう。この解析で着目されるテーマを研究者は細胞内輸送と翻訳後修飾と言っています(図2)。どちらも私たちが生きていく活動を維持するためにタンパク質が果たす重要な役割です。 前にお話したように、私たちの体を作っている細胞内では生命活動を正常に維持するために不可欠なタンパク質が、細胞内にある器官を通り、細胞膜や細胞外部の目的地へ輸送されています。このとき積荷として運ばれるタンパク質には、目的地へ正確に輸送されるよう輸送シグナルとなる物質が取り付けられます。こうした輸送を調節するタンパク質が正常な構造や機能を持たないために起こる遺伝病も少なくありません。体の中で必要な場所へタンパク質が正確に分配されることが生命活動には不可欠です。ですから輸送タンパク質の機能を知ることは基礎生物学と医学の両面から重要な研究テーマです。 専門用語での表現はなじみにくい方もいらっしゃるでしょう。タンパク質は遺伝子に記録された遺伝情報から作られるのですが、遺伝子に記録された情報の中から特定のタンパク質が作られるには、その素材となるアミノ酸の配列を読み出すことから始まります。遺伝子に記録された遺伝情報からアミノ酸配列が読み出されタンパク質が生まれる過程を翻訳と読んでいます。遺伝情報にしるされていた表現が翻訳されてアミノ酸で綴られた表現へ変えられたと言うのです。こうした翻訳後にタンパク質は誕生するのですが、これだけではタンパク質は一人前の仕事をしてくれないのです。翻訳後のタンパク質はまだ未成熟な状態で、一人前になるにはさらに仕事用の部品を用意して活動を始めます(図3)。これが修飾と呼ばれている過程です。修飾とは飾るという意味や限定すると言う意味がありますが、タンパク質が限定された役割を果たす仕事着や道具で装備するということでしょうか。 KEKでの翻訳後修飾をテーマにしたタンパク質の構造・機能解析研究で扱うタンパク質が装備するのは糖鎖という物質です。糖鎖はグルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)などの糖が鎖状に連なる物質です。タンパク質の表面についた糖鎖は、タンパク質の種類を示す「荷札」やタンパク質同士をつなぐ「連結器」や細胞の種類が見分けられる「標識」など重要な役割をタンパク質に持たせてくれます。タンパク質の多くが糖鎖を装備した形で機能を発揮するので、たんぱく質に結合した糖鎖の構造と機能を解明することはタンパク質研究では大変重要なテーマです。 糖鎖を装備したタンパク質は細胞内輸送とも密接に関係しています。2つの研究分野を相互に補完して進める解析は、この分野の研究を急速に発展させると期待されています。これまでにも紹介したようにKEKにある放射光施設はX線によるタンパク質の構造解析で活躍してきました。これからは「タンパク3000プロジェクト」のプログラムのために、この放射光施設が共同利用研究者も参加して利用される予定です(図1, 4)。5年間で70種のタンパク質の構造機能解析を目標とするこのプログラムについては、成果に応じて今後も紹介させていただきます。 タンパク3000プロジェクトは、平成14年度からの5年間で、約3000種以上のタンパク質の構造及びその機能を解析し、得られた成果の特許化まで視野に入れた研究を推進するための国家プロジェクトである。網羅的解析プログラム(理化学研究所担当)と、個別的解析プログラム(大学等の研究機関担当)に大別され、前者で2500種、後者で500種の構造機能解析を行う。 個別的解析プログラムのうち、翻訳後修飾と輸送の研究テーマについては KEK, PFの構造生物グループが中核機関として選定され、他の研究機関と協力してこの研究テーマに関わるタンパク質の構造機能解析を行う。 遺伝子から翻訳された後のタンパク質はまだ未成熟な状態で、完成品となるためには糖鎖付加などをはじめとする様々な修飾を受ける必要がある。また、その過程で、タンパク質は細胞内を輸送されて様々な細胞内小器官や細胞外へ運ばれる必要があり、翻訳後修飾と細胞内輸送は密接に関係している。 KEK, PFの構造生物グループが中心となって、共同利用研究者の高度利用と利便性を目指して開発中の技術の一例を示す。 |