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徹底とは?

[ 35] Watson Wyatt Review vol.27 一時徹底
[引用サイト]
http://www.watsonwyatt.co.jp/publications/wwreview/wwr27/2703/

イノベーションの定義とは何だろうか。よく言われるのは改善型と改革型である。前者の代表はトヨタの改善であり、後者は医薬品業界で見られる画期的な新薬である。またプロダクト・イノベーション、プロセス・イノベーションという見方もある。
しかしこういう定義は「あとづけ」であって、学者には役立つかもしれないが現場にはピンとこない。プロダクトとプロセスは表裏一体であるから事業としてみたら切り離して考えることは意味がない。また画期的な発明もそのアイデア実現のためには様々な工夫や改善が必要であり、改善や改革を切り分けて管理しているわけではない。
また、イノベーションは確率のマネジメントであり、その性質から「管理」はなじまない。つまり、イノベーションの管理指標をオペレーションレベルで設定して、その「指標管理を徹底する」とイノベーションは遠ざかってしまうのだ。バランス・スコア、あるいは期待値をもとにしたR&Dの管理会計など過去いろいろな取り組みがなされたが、期待された成果を生み出していないのも無理はない。ではイノベーションを生むには何に徹底すればよいのだろうか。
それは逆説的になるが、イノベーションを阻害する要因を徹底的に排除することにある。世の中には、イノベーションの邪魔となる常識や風習がごまんとあって、ほうっておくと組織にどんどん入り込んでしまう。イノベーションを持続的に生み出している「ひらめく組織」はこのようなイノベーションの敵を絶えず排除し、悪いものを芽の段階で摘み取ることで、組織の「創造文化」ともいうべき思考・行動様式を守っているともいえる。いわばネガティブリスト管理の徹底といえるだろう。
それではひらめく組織のネガティブリストから「八つの否定」「一つの肯定」の徹底を紹介しよう。まず「場の独裁者」の排除である。イノベーションは多くの人の協働によって生まれる。この協働には会議や打ち合わせは付きものであり、これらの会議で役職が高いというだけの人、あるいは「声の大きい」というだけの人ばかりが話を支配していると、創造の芽は育たない。典型的なのは独創的な新技術で成功したベンチャー企業で、創業者がすべてのアイデアを出し、社員は忠実な僕になってしまう例である。こういう会社の会議では、創業者が一方的にしゃべりまくり、他の人は下を向いて聞いているだけの会議に終始する。たまに誰かが発言すると、考えが甘いと叱咤されるので誰もしゃべらなくなってしまう。創業者は自分がしゃべることで、自分の考えをみんなに浸透させようとしているかもしれないが、創業者が「場の独裁者」になったとき創造の文化は消滅してしまうのだ。意見を出し合う、考え合う場を一人が支配する、少数の人だけ長く話しているようになったらイノベーションには赤信号である。場の参加者にはこの意識が徹底されなくてはならない。
イノベーションに成功した組織は何らかの「技術」をもっている。これは製造だけでなく、サービスなどのソフトな技術も含まれる。しかしやがて、このかつての成功を支えた技術が陳腐化していく。あるいは新技術をもった挑戦者が参入してくる。歴史の教えるところでは、新規参入者が勝つ場合が多い。かつてのイノベーション技術への適合を深めてしまったため、その適合が新技術への妨げになるのである。「成功の罠」という現象である。組織として継続していく以上、イノベーションは一発で終わっては困る。そのためにこの成功の罠にはまることは避けなくてはならない。イノベーションを持続する組織の特徴は自分の技術の否定である。ある電子部品メーカーのように、今の事業の本流技術を否定する「自己否定技術」への投資を意図的に続ける例もあるし、トヨタやセブン‐イレブンのように、昨日までの自分の仕事の仕方を否定して、日々変革を行うのは、自分の技術の否定によりイノベーションを継続する好例であろう。
イノベーションが成功するための「文化」は排他的な組織からは生まれない。斬新な発想は外との刺激的な交流によって生まれるからだ。そうはいっても組織に仲間意識が育ち、仕事のパターンを共有化してくるにつれて、違った考えを排除する傾向が出てくる。自分たちのやり方が正しく、他は異端であるとしてしまうのだ。こうなるとある種の宗教団体となってしまい、ビジネスの創造性は発揮できなくなってしまう。「自分たちは違うんだ」というプライドが、根拠のない妄信になってしまう。また自分の技術に自信がありすぎて「自分たちの技術が一番だ。どこの馬の骨ともわからないやつらの発明は使えない」というNIH(Not Invented Here)現象が現れると、組織の創造力は危険な状態にあるといえる。閉鎖性や均質性は、村社会や「日本語」の特殊性になじんだ日本人が容易にはまりやすく、しかも村にいると居心地がどんどんよくなってしまうので意図的に排除しなくてはならない。
組織の中で「部長」や「課長」といった役職で呼び合うところではまず創造の文化は育ちにくい。どうしても肩書きが発想の自由さを奪ってしまうからだ。組織だから判断の責任の区別は必要ではあるが、イノベーション発想にはむしろ役職は邪魔になる。役職の呼称は廃止してすべて「さん付け」にする例もあるし、あえて“Deputy Manager”のような難しい英語のタイトルをつけて、おじさんたちが英語を使わずに「さん」で呼ぶように仕向けたゲーム会社のような例もある。
また、会社での地位が向上すると、椅子にひじかけがついたり、机が大きくなったり、ガラス張りの個室がついたりするような、序列を昇ることが社員に励みになるような組織運営は出世競争を激しくすることはあっても、創造の競争あるいは共創を奨励するわけではないのでできるだけ省いたほうがよい。ピラミッド型の組織図もよくない。社長が上でその命令がトップダウンで落ちてくる、また組織に階層が存在する、こういうイメージが組織図に表れてしまうのだ。組織運営上の責任はあるにしても、創造活動については序列をつくってはならない。
イノベーションの第一歩は「人まね」をしない決意である。技術を学ぶ段階では模倣は必要ではある。しかし、今の日本では自分で付加価値を生むサービスをつくらなければ未来はない。それなのに学問や事業の先端分野で依然欧米のまねをしていないと不安な人が残っていることは問題である。特に明治時代からのくせ、あるいは第二次大戦後の欧米技術の導入や模倣の時代の影響が残っているためなのだろうか、今でも海外での先例や学説があるかを探し紹介、導入するのが学問であったりする。海外の学者の紹介や引用ばかりしている授業がまだあるそうである。天につばするかもしれないが、コンサルティング業界でもアメリカの先進事例の紹介や、カタカナことばで新しい手法を表そうとする日本人が後を絶たない。こういうのは自分で考えていない証拠である。コミットメントとかミッションとか、英語なれしていない人には新鮮に聞こえるかもしれないが、日本語で考えられなくては意味がないし深まらない。ことばを使うということは「自分で考える」ということであり、これを他人のことば、しかも外国のことばを安易に使うのは、それだけで自分に考える力がありませんと告白しているようなものである。
新製品開発情報などの極秘情報は別にして、会社の置かれている現状は包み隠さずオープンにすべきである。各種メディアに掲載されて初めて我が社のことを知るというのは、イノベーティブな会社とは言えないだろう。また社内外の情報にも自由にアクセスできるのがよい。多様な情報とのふれあいがイノベーションのヒントになるのだから。どういう情報を公開すべきか。プライバシーに関わる情報と外に漏れると関係者の利害が大きく損なわれる情報(M&Aなど)以外は原則自由にすべきだろう。ここの切り分けは難しいものの、情報公開なくして創造の活性化はない。したがってもったいぶって情報を扱う、また組織の階層によってアクセスできる情報ヒエラルキーが多階層になっている組織は創造する力を失うであろう。
イノベーションに成功する組織には偉大な創業者がいることが多い。しかしこれがイノベーションの継続を阻む最大のリスクになることも歴史的にみられることでもある。創業者がイノベーションの持続の妨げになってしまうのだ。かつての素晴らしいリーダーが新しい創造のブレーキになるといったことも起こるのである。この原因はリーダー側だけにあるのではない。社員の側にも「支配してもらいたい」という気持ちが働くのだ。リーダーはいったん選ばれると首に鈴をつける人はいなくなってしまう。もし株式が公開されていれば、リーダーにある程度市場の圧力が働くことで暴走は避けられる可能性はある。しかしこれとて効果は限定的だ。だからこそイノベーションが持続する組織ではリーダーの成果を厳しく評価することが必要なのだ。イノベーションに従事する社員は個人の貢献が長期に出ればよいと許されることはあっても、社長あるいはリーダーの役割を負う人々はより厳しく成果を問われるべきである。つまり長期的投資と短期的成果のバランスを取った判断がなされているかなどが厳しく問われるべきである。リーダーに「情け」は禁物である。リーダーの機能をきちんと果たしているか、冷静に検証しなくてはならない。リーダーの検証がきちんとできて初めてイノベーションが持続する組織が成り立つのである。リーダーのほうも組織の創造を本当に持続させようと思うのなら、自分自身を甘やかさず、交代時期を自覚さぜるをえない仕組みを入れ込んでおくべきだろう。
昇進や昇格が社員のやる気の中心となるのはイノベーションとは逆行する。だいぶ弱まってきたとはいえ、大企業の管理職という肩書きが社会的ステータスになるのは今でもそうだし、それを目標にサラリーマンでがんばるのはそれはそれでよい。しかし、もしイノベーションに徹底するなら、昇進、昇格という概念を会社も個人も捨て去るべきである。組織の階段を昇っていくよりも、イノベーションへの参画や貢献がやりがいになる組織である。イノベーションが地位や資格とは基本的に関係ないだけにこれは理論的には妥当である。ただし、昇格や昇進のための階段を昇る競争が、ある種の組織活力を生むことも事実であり、昇格原理からの脱却は大きなチャレンジである。しかしイノベーションを志向するならばこのチャレンジは不可欠だろう。そうすれば形骸化しがちで、受験秀才しか通らない実効のない昇格試験も不要となる。リーダーは役割の一種で、昇格試験の結果によってなるものではなくなるべきだ。最近は技術系の会社でリーダー(管理職)になりたくない、という人も増えているのが実感なので、ある意味で社会の実態に合っているのかもしれない。
今まで八つのチェックポイントはすべて否定や排除のマネジメントであった。最後に一つだけ、しかし最も重要な肯定のマネジメントを述べる。それは「人は創造を喜ぶもの」という信念である。人へのこだわりは否定でなく「信頼と肯定」により、人が本来もつ創造パワーを引き出すことである。その創造パワーの現れ方は個人によって様々である。成果主義人事制度で起こりがちな脱落のプレッシャーでは個々のひらめきは引き出せない。アンデルセンの北風と太陽のアプローチでいくと、太陽のアプローチが必要である。甘やかすのではないが、人間は常に自分の価値を感じ、それを高めるように行動するはずだという信念のもとに、それにふさわしい人材を発掘し、任せる。この人へのこだわりがあって初めて、イノベーションは継続するのである。
前述の八つの否定、一つの肯定を徹底するひらめき組織では、画一的な人事制度は適さない。そもそも通常の人事制度は100人以上の組織になった場合の管理として必要だが、管理するとイノベーションは起こりにくい。等級や目標管理などの落とし穴にはまらないためにも、そういう管理手法を全廃して残るものを考えなくてはならない。それは「個のマネジメント」であろう。逆に言うと一人ひとりに自分なりの等級概念や報酬概念があるということだ。100人の社員がいれば100通りの人材マネジメントが適用されるのだ。こういう方向に組織と人材マネジメントは進化していくのではないだろうか。
そうなると個のマネジメントは通常の人事制度とは異なる形になるであろう。ひらめく組織の人材マネジメントを描いてみる。
等級が序列感覚を助長するならば、等級はイノベーションの阻害となる。したがって等級の数を増やし、その階段を昇ることで社員のやる気を高めようとするのは、「軍隊型」であり、トップは独創的かもしれないが、社員はそれを着実に実行する「実行者」のみで、一代限りの組織となるであろう。むしろ等級を全廃する発想が必要となるだろう。また職務とそのレベルを従来の現在の業務を緻密に分析することでそれを等級に反映することはイノベーションにふさわしくない。職務が限定されてしまい、創造活動の協力のために「枠を超える」行動に対する動機が薄れてしまうからである。
当初に目標を立てその達成度を測る目標管理を個人に適用すると問題を起こす。イノベーションはきちんと進捗管理できるように進まないからだ。年度始めに目標が明確化できるのは、変化の少ない官僚的な仕事であり、そんな仕事は今ほとんどないだろう。こうやって自分の仕事の範囲を規定して、その達成度を評価すること自体がイノベーションの特性と合っていない。90年代の日本企業で成果主義人事制度が導入されたとき、個人の目標管理が強化されるのとワンセットであったところがほとんどであるが、これが企業のもっていた創造力を低下させるように作用してしまったと大変心配している。このような成果主義の結果起こることは、短期志向ですぐ結果の出そうな仕事へチャレンジするようになる。しかもその仕事のリスクは短期だけにそれほど大きくなく、次にリカバリー可能であるような程度であろう。これだと独創的なイノベーションは生まれないだろう。
年功序列の処遇は適材適所を妨げるので否定しなくてはいけないことは確かだが、報酬の年功的要素を単純に否定はできない。イノベーションに不可欠な技能の高さは日々の鍛錬によってある年齢までは確実に高まるからである。むろん年齢給で自動的に上昇、低下(ある年齢以上)するのは問題であるが、技能が向上していれば、年齢に応じた昇給は必要ではないか。
またイノベーションには時間がかかる。単年度決算の報酬では、長期的な成果に報いているとはいえない。したがって年俸制を採用し、年俸を毎年洗い替えして改正する会社は長期にわたるイノベーションを社員には奨励していないというメッセージを出していることになるだろう。
以上、伝統的な人材マネジメントとの違いを述べてきたが、最後にイノベーション志向の人材マネジメント構造の一極案を述べる。一極案というのは様々なバリエーションが考えられる中で、ひらめく組織の人材マネジメントを明快に示す極論の一つという意味である。
図1の左側は伝統的人材マネジメントのイメージである。職能、職務、コンピテンシーなどどういう定義にしようとも、階層構造をもっているという点で基本的には同じである。図の右側がひらめき組織の人材マネジメントの一極案で、二つの人材グループから構成される。一つのグループはイノベーターで共通の等級もなく年俸制でもない、自分の個性を発揮した創造への貢献によって報いられる人々である。もう一つのグループはコーチである。サッカーチームの監督が英語でコーチと言われるように、チームの監督と審判の役割を果たすことが期待される。コーチはイノベーターと違ってその資格を厳しく問われる。この資格はライセンス(免許)にしてA級、B級などとクラス分けするとよいだろう。コーチ技術やその成果は個のイノベーターと違って(チーム業績や360度評価によって)定量的に測定しやすいので、これらのデータによりコーチ資格を維持できないと判断されれば失効する。これにより組織のリード責任を厳しく問うのである。この一極案は一般社員の「上」に管理職があるという構造ではなく、横に別の役割のコーチグループが存在する役割分担型に特徴がある。報酬もどちらが高いかどうかは一律には定まらない。これは極端なイメージであるが、イノベーションに徹底する組織・人材マネジメントの一つのモデルとして提示したい。
今回示したイノベーションに徹底する組織の要件や人材マネジメントを実現できている企業はまだ少数であろう。しかし、日本企業はこれからますますイノベーションを志向しなくては国際競争で生き残れないことは確かである。イノベーションは人が起こす以上、戦略と組織と人材マネジメントが一体となったアプローチが必要である。そのための人材マネジメントのイノベーションを日本企業は真剣に考えるべきであろう。
●片桐一郎 かたぎりいちろう/コマツ、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経てワトソンワイアット株式会社入社。戦略・組織・人材を一体ととらえた21世紀型企業モデルの実現に向け、海外を含むクライアント企業に対し幅広いコンサルティングを行っている。M&Aや企業再生にも参画。研究所活性化のような創造型組織モデルへの変革を持続的に実施。東京大学工学部卒。スタンフォード大学工学部大学院修士課程修了。

 

[ 36] 各社の一押しモデルを徹底チェック! 最新プリンター比較 / デジタルARENA
[引用サイト]
http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/gen/20041116/110096/

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今年も、カラーインクジェットプリンターの最新モデルが各社から続々と発表された。肝心の印刷クオリティを一段と高めたばかりでなく、デザインに凝った製品や使い勝手を向上させたモデルなど、いずれも従来モデルと比べて魅力あふれる仕上がりになっている。
そこで、各社の最新ラインアップを一挙に紹介するとともに、売れ筋になっている主要モデル8製品をピックアップして、徹底レビューを行ってみた。あなたの気になっているモデルの評価はいかに!?
それでは、各社の最新モデルをメーカー別に紹介していこう。ここでは、各製品の主要スペックや最新の実売価格を掲載している。各メーカーのWebサイトでは、詳細なスペックが掲載されているほか、PDF形式の電子カタログを配布しているメーカーもあるので、そちらもぜひチェックしてみよう。
ユーザー視点の辛口評価で好評の戸田 覚氏による好評連載。大手メーカー製デスクトップPCの売れ行きがイマイチなのに対し、直販デスクトップの調子がいい。「大手店頭メーカーはAVデスクトップPCを本気で作ってリベンジせよ!」と戸田氏が喝を入れる![戸田 覚のPC進化論]
キヤノンの「IXY DIGITAL 10」は、シリーズ初期のような直線&平面デザインを採用した売れ筋モデルだ。沈胴式レンズながら、20mmを切るスリムボディーも見逃せない![レビュー デジカメ]
以前このコラムで紹介したサエコのエスプレッソマシン。皆様からの評判も上々でした。それに気をよくして(?)、今回は自腹で買った上位機種「マジックカプチーノ」をレビューします![石井さんの奥さんがナゾに挑む! 家電の“それ”ホント?]
PC向けの定額モバイルデータ通信にイー・モバイルが参入する中、ウィルコムも定額データ通信を高速化する新方式「W-OAM typeG」によるサービスを開始。W-OAM typeG対応のPCカード端末「AX530IN」のファーストインプレッションをお届けしよう。[ケータイの深層]
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[ 37] @IT:連載 Eclipse徹底活用(1)
[引用サイト]
http://www.atmarkit.co.jp/fjava/rensai2/eclipse2_01/eclipse01.html

これまで、Eclipseの基本的な使い方について連載「Eclipseを使おう!」で3回にわたり解説してきました。今回からは、「Eclipse徹底活用」というタイトルで、Eclipseのより実践的な使い方について、Antの利用、EJB開発、UMLによるモデリング、プロファイラによるボトルネック解析、GUIアプリケーション作成、プラグイン開発などにポイントを置いて解説していきたいと思います。
なお、この新連載ではEclipseの最新バージョンEclipse 2.1をベースに解説します。Eclipse 2.1の新機能については、「プロダクトレビュー:完成度を高め商用ツールの機能に迫るEclipse
今回は、JavaのビルドツールであるAntをEclipseで使う方法をご紹介します。Ant自体の解説については、連載「現場に活かすJakarta
Project」の第2回「AntでJavaのビルドを簡単にする」を参照ください。ここでは、このAntをEclipseで利用する方法をご紹介します。なお、本稿では、プロダクトレビュー:完成度を高め商用ツールの機能に迫るEclipse
Editorは、コードアシストの機能を備え、Javaコードを編集するのと同じような感覚でタグや属性を補完してくれます。タグをカラフルに色付けしてくれるので、視覚的にも見やすくなっています(画面1)。
また、ランチャーを用いると、ターゲットをメニューから簡単に選択できます(画面2)。さらに、プロパティやタスクを簡単に定義することもできます。これらの機能により、非常に快適にAntを利用することができます。
ちなみに、Ant Editorは、もともとはPlantyという名前でEclipseプロジェクトとは別のプロジェクトで開発されていましたが、開発者がPlantyをEclipseプロジェクトにコントリビュートすることにより本体に統合されました。これにより、PlantyはAnt
Editorと名前を変えEclipseプロジェクト内で開発が続けられています。ほかのオープンソースコミュニティが開発した、優れたツールがデフォルトのツールとして取り込まれるのは、だれもが参加できるオープンソースプロジェクトならではといえるでしょう。
ツールバーのファイルメニューから「新規作成」を選択し、現れたダイアログボックスからフォルダを選び、ファイル名にAntのビルドファイルのデフォルト名である「build.xml」を入力、最後に「Finish」をクリックします。するとパッケージエクスプローラに画面3のようなアリ(ant)のアイコンが付いたbuild.xmlファイルが表示されます。
build.xmlをクリックするとAnt Editorが開きます。このエディタ上でビルドファイルを記述します。ここで注意が必要なのは、build.xmlの中に日本語を含めたい場合、デフォルトの文字コードは、「各プラットフォーム固有の文字コード(Windows:Windows-31J(MS)
/ Unix:EUC-JP)」であることです。最近では国際化を考慮して、XML文書はUTF-8を用いて記述することが多くなっていますので、文字コードはUTF-8にしておきましょう。メニューの「編集」→「Encoding」から「UTF-8」を選択してください。また、XML文書のヘッダには、
Eclipseでは、Javaコードを編集する際にオブジェクトのメソッドなどの補完機能が充実していますが、Antのビルドファイルの編集においても例外ではありません。例えば、XMLヘッダだけを記述した状態で、CTRLキーとスペースキー(Emacsのキーバインドを利用している場合はAltと/)を同時に押してみましょう。画面4のようにタグの補完候補としてprojectが表示されます。
と入力し、CTRL+スペースキーを押すとtで始まるタグの補完候補が現れます(画面6)。また、補完候補とともに選択中のタグの説明も表示されます。
と、targetタグが表示されます。また、タグの属性の説明も表示してくれます。Antにはデフォルトでかなりの数のタスクが含まれ、それぞれ異なる属性を指定しますが、Ant
Editorを使えば、タスクの機能と属性で指定するパラメータなどを調べながらビルドファイルを作成することができます。Antのタスクの名前と属性をうろ覚えでも、Ant
Editorの助けを借りながら簡単にAntのビルドファイルを作成することができるので便利です。
例えば、javadocタスクはencoding(ソースファイルのエンコーディング名を指定)とcharset(HTML文字セットを指定)という紛らわしい属性を用いていますが、Ant
資料を作成するときなどでビルドファイルの先頭に行番号を表示したい場合は、メニューの「ウィンドウ」から「設定」を選択、設定画面の左のツリーから「Ant」→「Editor」を選択し、Ant
実行は、Antランチャーで行います。パッケージエクスプローラに表示されているbuild.xmlを右クリックします。表示されたリストから「Antの実行」を選択するとAntランチャーを起動できます。「ターゲット」タブを選択すると、ターゲットのリストが表示されているので、実行したいターゲットを選んで下にある「実行」ボタンを押すと実行できます。
ビルドファイルが特定のAntのバージョンでしか動作しない場合など、別のディレクトリにインストールしたAntを利用したい場合があります。この場合、メニューの「ウィンドウ」から「設定」を選択し、設定画面の左のツリーから「Ant」→「Runtime」→「Classpath」タブを押し、Set
ANT_HOMEの項目にAntがインストールされているディレクトリを指定します。この場合、ANT_HOME/libにjarファイルをインストールしておくと、クラスパスを自動的に通してくれるので便利です。
Antは便利なツールですが、ビルドファイルを作成するのが少し面倒です。ちょっとしたコードをビルドしてjarを作成したい場合、メニューの「ファイル」から「export」→「jar」を選択すると、簡単にクラスファイルを含んだjarファイルを作成することができます。ただし、この方法は毎回jarに含めるファイルを指定する必要があるので本格的な開発を行う場合は、Antをお薦めします。
今回は、EclipseでAntを利用する方法を紹介しました。本稿を読んでEclipseでAntを利用した方は、その機能の豊富さを実感できたことでしょう。開発にほかのIDEやエディタを利用していたとしても、Antのビルドファイルを作成するためだけにEclipseを利用する価値があると筆者は考えています。Antを使いたいけどビルドファイルを作成するのが面倒と思っていた人や、これからAntを使おうとしている方は、ぜひEclipseを試してください。
次回は、OMONDOプラグインを使ってElicpseをUMLモデリングツールとして活用する方法を紹介します。
Debian GNU/Linuxの優れたメンテナンス性と他のディストリビューションを圧倒するパッケージ数に引かれDebianを使い始めたのをきっかけに、Debian
作成したJSP/クラス・ファイルなどをTomcat上で動作させるには、どこに配置するべきか? さらに、web.xmlの書き方も確認しよう
知ってましたか? ResinサーバではJSPとPHPアプリの両方を使えます。PHPにも触れることでJavaを客観的に見れるので、試してみましょう
DWRを使うと、JavaScriptとJavaの間でデータを送受信するときにクラス/型を気にする必要がないなど、便利な機能が満載です
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