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タンパク質とは?

[ 81] タンパク質は生命を支える物質である
[引用サイト]
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/biochem4.htm

タンパク質は生体内のあらゆる場所に存在し、生命活動を支える最も重要な物質である。化学的に見れば,タンパク質は20種のL-a-アミノ酸が多数つながった高分子化合物に過ぎない。しかしながら,タンパク質は単なるアミノ酸の結合物ではなく、固有の立体構造と機能をもつ分子である。また,下に示すようにその形もさまざまである。
アミノ酸は水に溶けやすい有機化合物である。分子内に解離性原子団として,アミノ基 (塩基性)とカルボキシル基(酸性)を併せもつ。タンパク質を構成するアミノ酸はアミノ基とカルボキシル基が同じ炭素原子に結合したa-アミノ酸である。グリシン以外のアミノ酸では,この炭素原子は4つの異なる原子団が結合することになる。このような炭素原子を不斉炭素原子という。不斉炭素原子があるとL型とD型の2つの光学異性体が生じる。タンパク質中に通常見られるのは,L型のa-アミノ酸であるが,タンパク質の老化に伴ないD型アミノ酸に変化することもある。
アミノ酸は塩基性と酸性の原子団をあわせ持つので両性電解質である。そのため,溶液のpHによって2つの原子団の電離の程度が変化する。正味の電荷がちょうど0になるような溶液のpHを,等電点(isoelectric point, pI)という。
タンパク質を構成するアミノ酸は20種である。これらのうちの半数は体内で合成することができるが,次の9種のアミノ酸は合成できないので,食べ物からとる必要がある。これを必須アミノ酸(essential amino acids)という。
解離性の原子団を持つアミノ酸には次のようなものがある。側鎖およびa-アミノ基およびa-カルボキシル基のpKa値を次の表に示す。
Met, Cys, Pro: Metは疎水性で、-S-CH3が酸化されて-S(=O)-CH3(スルホキシド)を生成。CysのSH基は還元作用をもち、酸化さ れるとSS結合をつくる。また、-SHは弱酸。Proは環状脂肪族イミノ酸で、疎水性。ニンヒドリンで黄色に呈色。
Phe, Trp, Tyr: Phe残基は疎水性でタンパク質内部に多い。TrpとTyr残基はやや極性があり、タンパク質表面にもくる。Trpは酸化され易く、酸化されると芳香環が切れてN-formylキヌレニンになる。Tyrは極性アミノ酸で、フェノールなので反応性がある(ニトロ化)。
His, Lys, Arg: Hisは複素環式芳香族側鎖(imidazole)を持つ。Imidazoleは生理的pHで酸・塩基の両方の働きをするため、酵素の触媒作用に関与することが多い。LysとArgはLysは生理的pHで正に荷電。側鎖にアミノ基をもつ。Argのグアニド基は強塩基性。
天然には,タンパク質やペプチド中または遊離のアミノ酸として,下に示すような特殊なアミノ酸が300種以上も存在する。
ヒドロキシプロリンはコラーゲン中に存在する。g-カルボキシグルタミン酸(Gla)残基は,血液凝固に関与する一部のタンパク質に存在し,カルシウムイオンと結合する性質をもつ。オルニチンは尿素回路に必須のアミノ酸である。
2〜50個くらいのアミノ酸が脱水縮合によりつながった化合物を,ペプチド(peptide)という。
ペプチド結合を構成する原子群は,同一平面上に存在する。これは,C-N間の結合が二重結合性を帯びているためである。タンパク質の立体構造がひとりでに決まるのは,この性質に負うところが大きい。
小型のペプチドの場合は3文字表記が見やすいが,タンパク質のようにアミノ酸残基数が多くなると,1文字表記の方が便利。タンパク質配列のデータベースは,1文字表記で登録されている。
天然のペプチドは,タンパク質と同様に,固有の機能をもつものが多い。ホルモン,毒ペプチド,抗生物質,神経伝達物質,酵素阻害剤,細胞内還元剤など,その作用は多岐にわたる。
タンパク質(protein)は,アミノ酸が多数ペプチド結合で鎖状につながった高分子化合物である。タンパク質の骨格であるポリペプチド鎖には方向がある(N末端とC末端)。アミノ酸の種類に関係しない -NH-CH-CO- のつながりを,主鎖(main chain)という。アミノ酸に固有の原子団部分を,側鎖(side chain)という。また,1つのアミノ酸のユニットを残基(residue)という。
タンパク質は固有の立体構造をもち、立体構造はタンパク質の機能と密接に関連している。タンパク質の形は,4つの階層構造(1次〜4次構造)に分けて理解することが出来る。
どのタンパク質も固有のアミノ酸配列をもつ。そのようなタンパク質のアミノ酸の配列順序のことを1次構造という。タンパク質の1次構造は遺伝情報(DNAのヌクレオチド配列)によって規定される。
タンパク質を構成するアミノ酸には側鎖に解離性の原子団をもつものがあるので,アミノ酸の場合と同様に,溶液のpHによって荷電状態が変化する。したがって,タンパク質にも固有の等電点が見られる。
主鎖間の水素結合により,タンパク質は部分的に折りたたまれた立体構造をとる。a-helix,b-sheet,b-turnなどが代表的なものである。このようなペプチド主鎖の規則正しい折れ曲がり構造を2次構造という。
タンパク質の主鎖が折りたたまれるとき,「油(疎水性原子団)は中、水(親水性原子団)は外」の原理に従う。つまり,疎水性原子団はなるべく水との接触を避けようと,タンパク質の内部に配置される。ペプチド結合は,上の図のように,強い極性を持っている。そのため,疎水性アミノ酸残基がタンパク質内部に配向する場合,極性を持つペプチド結合をうまく処理する必要がある。これを、主鎖間の水素結合により解消するために,タンパク質は2次構造をとる。
a-helixは太い柱状の2次構造で,全体が大きな双極子となっている。従って,一般に,a-helixの両端は分子の表面に存在する。細胞膜を貫通するようなほとんどの膜タンパク質では,膜を貫通する部分はa-helixとなっている。この場合,helixを構成するアミノ酸残基は,そのほとんどが疎水性アミノ酸である。つまり,helix全体が「油」で覆われていると考えればよい。一方,タンパク質の表面にへばりついているようなhelixでは,helixの片側に疎水性アミノ酸,もう一方に親水性アミノ酸の側鎖が位置する。
b-sheetは板状の2次構造をつくる。b-sheetには,ペプチド鎖が同じ向きに並んだ「並行型」と,ペプチド鎖が逆向きで並んだ「逆並行型」がある。b-sheetの2本の鎖は少し捻れているため,多数のb-sheetが集合すると,ねじれた樽状になる。
タンパク質全体の三次元的な立体構造を3次構造という。3次構造には,主鎖や側鎖間の種々の相互作用が関与する。
タンパク質分子が複数集合して複合体を形成している場合がある。それぞれのタンパク質成分をサブユニット(subunit)と呼ぶ。例えば、血液中で酸素分子を運搬するヘモグロビンは4つのサブユニットからなり、その構成はa2b2の四量体である。
大型のタンパク質は,いくつかの立体構造の組み合わせでできている。この立体構造の単位をドメインと呼ぶ。現在までに数100種のドメインが知られている。一般に,ドメインは約70-100残基から成る。複数のドメインから出来ているタンパク質では,1つのドメインが固有の機能を発揮する場合が多い。
現在では,立体構造が分かっているタンパク質のデータを基に,特定のタンパク質のドメイン構造が1次構造から推定できる。特に、S-S結合の位置関係が,ドメインの識別に重要である。
生体内でタンパク質は種々の物質と結合し、複合タンパク質として存在する場合が多い。タンパク質は生体内でたくさんの機能を発揮している。タンパク質の機能はその高次構造(2〜4次構造)と密接に関連している。
ある種のタンパク質は,機能の発現のために,アミノ酸以外の分子を必要とする。これらを複合タンパク質という。
タンパク質は、加熱、極端なpH、強い攪拌、高濃度の塩や尿素、還元剤、強い光などで高次構造を支える結合が切れ、溶解度が低下したり固有の機能(活性)の低下・消失(失活

 

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